有名なレストランガイドブック「ミシュラン」より
有名なレストランガイドブック「ミシュラン」の、フランス版2005 年の情報

お待たせしました。今年のミシュランフランス版です。去年は2月1日に情報が流れたというのに、今年は、昨日、発売日(3 月2日)の一週間前になってようやく情報が流出。ディレクションの交替、ベネルクス版で起こした不祥事(印刷の時期の段階でまだオープンすらしていなかったレストランを、そのオーナーが有名な3つ星シェフだ、ということで、フォークマーク二つをつけて掲載した。ベネルクス版は、発売中止。新バージョンが出るらしい、という話。)などが絡んで、発表が遅れたらしいです。
では、情報を。
3つ星昇格は1店。レジス・マルコンの「オーベルジュ・デ・シー ム」。ブルゴーニュ地方のキノコの扱いに定評がある、評判の高いシェフ。3〜4年前から、ポスト3つ星と謳われていたのが、ついに実現。 今までのレストランをブラッスリーにして、近くにゴージャスな店を新たに開くことになっていて(3月オープン予定)、改装が功を奏したか ?と、改装店が大好きなミシュランを笑う声も。
彼の店のスーシェフは、この1月、世界的に権威のあるコンクール”ボキューズ・ドール”で優勝していて、チーム力も抜群。満を持して、というか、誰もが納得の3つ星昇格でしょう。
3つ星から2つ星への格下げは、2軒。去年から危ない危ないと言われていた、モンペリエの「ル・ジャルダン・デ・サンス」。ある意味、誰も驚かなかった。もう1軒は、ブルゴーニュの老舗「ラムロワーズ」。20年だか30年だか前から3つ星店で あり続けた名店が星を落としたショックは大きく、厨房は涙にくれたという。再起出来るといいね。

次、2つ星。
新しく2つ星になった店は、全部で11件もある。多すぎない?うち「アピシウス」は、引越ししただけなので新しく、とはいえないかも知れないけど。
コートダジュールは、去年、散々たたかれた後に頑張ったと見えて、星 が賑やか。キュサックさんが去った後の「レゼルヴ・ボーリュー」、カンヌの「ヴィラ・デ・リス」のブルノー・オジェ、そしてムージャンの名レストラン「ル・ムーラン・ドゥ・ムージャン」を買い取ったアラン・ロルカ。 ヴィラは一度しか試してなく、そのときはまあまあだったっけ。2つ星 ねえ、まあ、悪くはないと思う。レゼルヴ、シェフが新しくなってから 行ってない。よかったね。
ロルカの店は、本当??と思わず笑ってしまったけど。ま、未体験だか らね。彼の料理、ネグレスコの「シャンテクレール」時代は、何度食べ ても性に合わなかったので、自分の店をオープンさせてからも、足を向けてない。ま、きっと、よいのでしょう。
パリでは、プラザ・アテネのデュカスの店のシェフだったピエジュが 移った、クリヨンの「レ・ザンバサドゥール」。狙って取った、ですね。
専門誌「ル・シェフ」でも確か“今年のシェフ”に選ばれたし、名ガイドブック「シャンペラール」でも”今年のシェフ”。ちなみにフー ディングでも“最高シェフ”かなにかになったけ。個人的にはあまり好 みでない、、、。
そしてもう1軒「ラストランス」!ブーラヴォー!!!2000年のオープン以来、他の店とはちょっと雰囲気が違う、素敵な店だった「ラストランス」。今年のゴーミヨの“今年のシェフ”にも選ばれ、最高で すね。予約が全く取れないので、2年以上も行ってないけど、素敵な思い出がたくさん残っているな。行きたいな〜。

今年から新しく導入された“エスポワール(期待の星)”と言う制度。 無星〜2つ星の格カテゴリーの中でも最高位につけている店に与えられ、既存2つ星では、愛するヤニックの「ル・ムーリス」、ブルター ニュにいる敬愛するローランジェさんの「メゾン・デ・ブリクール」、南仏の「ロアジス」(数年前に年末のディナーを味わったけど、そんな によかったっけ???よくなったんだろうなー)、ボルドーの「コーデリアン・バージュ」(ここの仔羊は傑作。他の料理もかなりよいし、納 得。しばらく行ってないなあ。もう3年は行ってない。行きたい、、、。)、パリはブーローニュの森にある「プレ・カトラン」が “エスポワール”を獲得。
ガンバレー、ヤニックー!ガンバレー、ローランジェさん!ガンバ レー、ボルドーのティエリー!他2軒は、あんまりいい印象がないので、どうでもいいや(笑)

2つ星から1つ星に落ちたのは全部で4軒。うち1軒に、「レ・ゼリ ゼ」の名前があったのに唖然とする。ブリファーさんが率いる「レ・ゼリゼ」は、どこをどうひっくり返しても、2つ星に値する。2つ星でもいいランクの方だと思う。名ガイドブック「ボタン・グルマン」でも高 く高く評価されていたのに、、、。納得できないよね、本人も周りも。 さっき電話で話したら、ロビュションさんもフランソワ・シモンもその 他諸々ジャーナリストたちも、「ひどい評価だ!」と憤慨して慰めてくれたらしいけれど、ショックは大きいはずだ。かわいそうなブリファーさん、、、。気を落とさず、頑張って欲しい。


新1つ星は30件とか膨大な数があるので、見きれない。 パリでは、ギー・サヴォアの手に渡った新生「シベルタ」。ここも狙って取った系。支配人に「ル・ブリストル」の名支配人だったモントゥイ エさんを招いた時点で、きっと星を取るな、と思ってた。食べに行かなくちゃ。
瀟洒なプチホテル、ランカスターのダイニングに入ったトロワグロの店「ラ・ターブル・ドゥ・ランカスター」もめでたく星つき。一度しか試してないけれど、まあ、そつなく星を取るタイプだったかな。テラスの 雰囲気、最高だったな〜。季節がよくなったらまた行きたい。最近、あらゆるところから耳に入る、コルシカの南の方にあるホテル・ レストランも星を取った。ここ、気になって気になって仕方がない。今度コルスに行くときには、絶対行く!ホテルとしてもかなり魅力的らし い。


新1つ星で、個人的にすごいなあ、と感動した点がある。 アラン・デュカスが主催している、地方の若手シェフをパリに呼んで料理週間を開かせ、地方の若手の実力をパリで広めよう、という趣旨の”フードフランス”というイベントがある。一昨年の秋から始まったイベントで、私も取材でもう10回以上参加いるのだけれど、そこに今まで呼ばれたシェフたち(30人弱かな)の中で、今年1つ星を取った人が3人も出た。デュカスとフードフランス委員会が招待シェフを選ぶのだけれど、その選択眼のよさに頭が下がる。1つ星から2つ星になった店のシェフも1人いるし、星は取れなかったけど“エスポワール”が付い たシェフも2人。1つ星カテゴリーの”エスポワール”も1人。ついでに、去年MOFを取ったシェフも2人いたはず。 今日は、フードフランスで取材をさせてもらったシェフたちに、電話で オメデトー!を何度言ったことか。みんな興奮と喜びに包まれていて、こういう声を聞くと、ほんとに嬉しくなる。
無星ながら”エスポワール”に選ばれた、18件のレストランの中に、 ニースの松嶋さんの店があった。ほんとは星を期待していたのだけれど、オープンから2年ちょい&ミシュラン初登場で、”エスポワール” になっただけでもすごいことだよね。このまま行けば、来年星を取る可 能性はとーっても高い。料理的には、既に間違いなく1つ星の域に十分 達しているしね。来年を楽しみに♪

こんなところです、今年のミシュランの動きは。レジス・マルコン、パスカル・バルボにブラヴォーブラヴォーブラ ヴォー! フードフランスで、熱い言葉をたくさん聞かせてくれた若きオーナー シェフたちにブラヴォーブラヴォーブラヴォー!
来年は、ヤニック&カミーユ、ローランジェさんの3つ星と、松嶋さん の1つ星をおゆわいできると嬉しいな。頑張ってねー、シェフたち。 たかが1ガイドブック。しかもこの1年は特にスキャンダルだらけだっ た。そうは言っても、やっぱりされどミシュランはミシュラン。昨日から今日にかけて、周りはミシュランの話一色だったし、ニュース報道も絶えない。 いい意味でも悪い意味でも、業界に大きな影響力を持っているガイドブックなのです。
以上、ミシュランフランス版2005年の感想でした。

加納雪乃